鳳林院山門(小美玉市指定文化財)

山門
小美玉市指定文化財
昭和57年3月24日指定

山門は寺院建造七堂伽藍のひとつで、修行僧や仏道を求める者の心を引き締める重要な入口です。

この山門は正徳3年(1713年)9月吉日、檀家各家の発願により着工され、正徳4年4月28日上棟、翌年の正徳5年10月28日、3年間の歳月を費やし建立されました。今日に至るまでに2度にわたる火災の難を免れましたが、大正6年(1917年)10月1日夜半、辰巳の大風によって破壊しその年に復元されました。

破壊前の山門は釘を1本も使わない方法で建立され、位置も現在地より7mほど道路側に立てられていと伝えられています。屋根も茅葺きでしたが、昭和50年2月に鉄板葺きに、平成20年2月に銅板葺きに改修工事が施されました。

清浄守護龍柱(唯一無二の龍柱)

龍柱(2匹龍)  龍柱(鯉~龍) class=

内側に向いている2匹の龍、上段の龍は参拝に来た方を清浄にして、汚れの無い心身で参拝できるように階段中央を向いています。また、下段の龍は参拝を終え山門を出たあとも守護してもらえるように、帰る人を向くように上を向いています。

また、中国の古事に「鯉が川をのぼり、門をくぐると龍になる。その門を登龍門と言う」という話しがあり、その古事にならい本堂に向かって右側7本の柱裏には、下から鯉が龍に変化する姿が彫られています。

この清浄守護龍柱を行き帰りに通ることで、多くの龍たちに邪気を払っていただき、払った邪気から守護してもらうことができます。さらに鯉が龍に飛躍するが如く、益々の福徳を願うことができる世界で当院にしかない龍柱のヒーリングスポットです。

干支地蔵(生まれ年地蔵)

干支地蔵  干支地蔵全景 

当院境内には、干支にちなんだ愛くるしいお地蔵様が十二体安置されています。正式には、お地蔵様を「地蔵菩薩」と言い、慈悲深く多くの人々を苦しみから救う仏様で、古くから私たちと大変なじみが深い仏様です。

十二支のお地蔵は、自分の生まれ年の干支のお地蔵様には、今ここに自分が居せてもらえることに感謝をし、これからもお地蔵様の慈悲によりお守りいただけるように手を合わせます。また、今年の干支地蔵にもお参りをし、自分だけではなく周りの人々も守っていただけるようにお願いし功徳を積むことも大切です。

そして、12年に一度、自分の干支と今年の干支が同じになる「年男・年女」を迎えます。自分の干支のお地蔵様が周りの方々も救う大きな功徳を積むことができる年です。日頃の感謝はもとより、周りの方々に優しく接せられるよう手を合わせ皆様の幸せをお祈りください。

一字一石経(小美玉市指定文化財)

一字一石経全景  一字一石経
小美玉市指定文化財
昭和55年3月26日指定

当院所有の土地を美野里町(現小美玉市)が竹原中郷地区の農村公園造成のため整地中、昭和54年6月7日、地下約1mの川砂層から多数の経石が出土しました。

この経石は、享保4年(1719年)当時、当院に修行をしていた僧侶が、飢饉や洪水などの被害から地域の人々を救うための願いをこめて、経文を一字ずつ川石に写したもので、その数は大乗妙典経文の字数から考えて約7万個の経石と思われます。

その他、供養のための経石もあり、「寛永通宝」銭も約16枚見つかりました。経石は、これまで他市町村でも発掘されたことはありますが、当院のように年代や作者名まで明らかにされた例は少なく、貴重な史料になっています。